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2005.05.07

「anego〜アネゴ〜」第3回

anego-0504-2 黒沢からの突然のキスの後、
「次、居酒屋でいいですか?」
そう言われて、我に帰る奈央子。
「大変失礼いたしました。お疲れ様でした!」
「アネゴ!」
「いいのいいの。何にも言わないで。無かった事にして!!」
そう言い残し、タクシーを止め飛び乗る奈央子。
黒沢は置き去りに・・・。

翌朝、満員電車の中で相変わらずカメラ目線で話す奈央子。
「今年社会人になった新入社員は、私より10歳年下です。
 10年一昔と言いますが、私達とは文化が違うし、
 こっちがいくら思ったってあっちが振り向いてくれる訳じゃないし
 ときめくなんてエネルギーの無駄・・・と私は思っていました。
 ところがある日、あろうことか、10こも下の男の子が
 自分のことを1人の女性として認めてくれたら、
 それだけで灰色のOL生活はカラーになり、
 勤務意欲はガンガン増し、
 通勤着選びにも、気合が入るというもの。
 とはいえ・・・現実的にはリスクが大きすぎます。
 20代の頃なら天真爛漫に突き進めた恋愛も、
 30過ぎたらそうはいきません。

 いい年して傷つくのは怖いし、
 万が一噂になったりしたら、こっちが犯罪者扱いされてしまう。
 用心深く避けて、やり過ごすのが、
 大人の分別というものでしょう。
 でも嬉しい気持ちは隠せません・・・。」

奈央子はトイレで鏡を見ながら、ため息をつく・・・。
「はぁ〜。参ったな〜。どんな顔して会えばいいんだろう。」
「誰にですか?」
突然博美に声をかけられ、慌てる奈央子。
「先輩、昨日2次会の後どこに行ったんですか?」
「どこも・・。まっすぐ家帰った。」
「あれ?黒沢、先輩のこと探して引き返したんですよ。」
「あぁ〜そう。へぇ〜。会ってないけどねぇ〜。」
(それって、わざとっぽ過ぎwバレバレだね)
「ふぅ〜ん。まぁ言っときますけど、
 あんな若いこと盛り上がったって、エネルギーの無駄ですから。」
「あ、そうそうそう!若い子っていえば、
 私、最近気になってしょうがない事があるんだけどさぁ、
 ファミレスとかでオーダーの確認する時、若いバイトの子がさぁ、
 『よろしかったですか?』って言うじゃない。
 『コーヒーでよろしかったですか?』
 正しい日本語はさ、『よろしいですか?』だよね。
 『よろしかったですか?』って言うとさ、
 こっちの責任問われてるみたいで、耳障りなんだよね。」
いきなり話をごまかす奈央子。
「私は、コンビニで買ってきた朝ごはんを
 会社のデスクで食べてるヤツが気になりますね。」と博子は言う。
「それ!気になる、嫌だよねぇ!
 ノリとかさぁ、シャケの匂いが立ち込めちゃうしね。」
「電車の中でメークしてるヤツと同じレベルで許せない。
 先輩、今度ガツンと注意してやって下さいよ!」
「よぉし!ガツンと言ってやろ。
 オフィスは公共の場だ。朝飯は家で食ってこいってね。」
うまく話をはぐらかしたようですね・・・(^-^;

「おぉ、いきなりいた!」と声を上げる博子。
二人がオフィスに戻ると、デスクで朝食を食べる黒沢と立花が・・。
「おはようございます。」と黒沢と立花が挨拶をする。
「さぁ、言ってやって下さい!」
博子にけしかけられる奈央子。
しかし奈央子は黒沢の顔をまともに見れない・・・。
「あの〜さぁ。二人とも、朝ご飯は・・・あのぉ・・・」
「あぁ、すみません。気が付かなくて。
 黒沢、先輩にもお薦めしろ!」と勘違いする立花。
「アネゴもどうぞ!
 あぁ、梅もありますけど、シャケでよろしかったですか?」
「出た!よろしかったですか!」ツッコミ所だと博子は思う。
しかし奈央子は二人に何も言えない・・・。
「どうぞ。・・・いや、どうぞ。」
黒沢にどんどん歩み寄られ、どうにも対処できない奈央子。
「・・・いい。朝ご飯食べて来たから。」
そう言い、背を向け逃げる奈央子。
「あら!?ちょっと!先輩!!」博子は奈央子を追いかける。
「今日はやめとこ!注意は又にしよぉ〜っと。」
自分の席に逃げる奈央子。
「アイツに何か弱みでも握られているんですか?」
博子の言葉にドキっとするが、はぐらかす奈央子・・・。
さっきまでの勢いが急になくなったら、もう博子には何かを勘ぐられるのはしかたがないね(^-^;

仕事が忙しい時間帯に、絵里子が手土産を持ってオフィスにやって来た。
「奈央子さん!早速来ちゃいました。今日は会社訪問に♪」
そう言い、阪口部長に挨拶に行く絵里子。
「この間、奈央子先輩に派遣で復活しなさいって言っていただいて
 私、目が覚めたんです
 6年ぶりに職場に復帰することにしました。」
奈央子はそう挨拶し、1個1万円もする高級なチーズケーキを部長の机の上に乗せる・・・。
「ではみなさん、お仕事中お邪魔いたしました。近いうちに、又。」
そう言い絵里子は、人事部長の元へと去ってゆく・・・。

絵里子の登場で、派遣社員達は自分達の首が切られるのでは、と
心配する・・・。
男性社員たちは、美しい人妻の絵里子に大歓迎だ。
「そろそろチェンジしませんか。」等と言い出す始末・・・。
阪口はどういうことなのかと奈央子に詰め寄る。
奈央子は自分が言った何気ない一言が、彼女を勘違いさせてしまったのだと気付き、
「誤解を招くような失言があったかもしれません。
 ちゃんと私の方から本人に伝えておきます。」
そう言いながら、部屋を飛び出し絵里子を追った。
やっぱり誤解してましたね(笑)絵里子に嫌味は通じません(^-^;
それにしても、挨拶に1個1万円のケーキだなんて・・・。
金持ちの奥様は違うわぁ・・・。

奈央子は絵里子を追い、会社の側の公園で話をするのでした。
「久々に社内を歩いてウキウキした。」と楽しそうに話す絵里子。
今日は、子供を1時間2500円のベビーシッターに預けて来たそうだ!!
「2500円!?
 派遣の時給は最高ランクで2000円よ。」
驚いた奈央子は、絵里子に言うが
「私、時給はどうでもいいんです。」と気にしない絵里子・・・。
「いやいや、そういうこと簡単に言わないで欲しいな。
 みんな必死でその時給にしがみついているんだから。」
奈央子に言われて、素直に反省する絵里子。
「はっきり言うけど、あなたには無理だと思う。
 もっとちゃんと目を開けて、現実を見て欲しいの。
 何不自由の無い奥さんの暇つぶしで、勤まるかどうか。 
 あなたも会社にいたからわかるよね?」
「はい、わかりました。
 奈央子さんがそこまでおっしゃるんでしたら、私諦めます。」
絵里子があまりにも簡単に引き下がるので、奈央子は驚く・・・。
「それより、お話したいことがあるんです。
 私ずっと奈央子さんに相談に乗っていただきたくて・・・。」
ベンチに座り話し出す絵里子・・・。
「私が仕事でも始めて、しっかり自分を持てば、
 家族の再生が出来るかと思ったんです。
 私達夫婦、もうちょっとでダメになるところでした
 カナダの赴任先にいた頃は、もうダメかと思った。
 それで私、ずっと精神科の治療を受けていたの。」
「あっ・・そうだったんですか。でも今は良くなったんでしょう?
 絵里子さんすごく元気そうだし。それに・・・
 あんな素敵なご主人がいるんだから・・・大丈夫。」
「奈央子さん・・・
 主人に騙されないで下さい。
 私がカナダでおかしくなったのは、主人のせいなんです。
 あの人、私を裏切りました。
 カナダ人の愛人がいたんです。」
沢木が浮気とは・・・奈央子は軽いショックを受ける。
そっか、やっぱり精神的におかしくなってたのね・・・。そういうのって簡単には治りづらいから・・・。
自分本位で周りの事を気にしないのも、そのせいなのかな・・・。
とにかく今は、奈央子に縋りたい一心なんですね。

その頃、経営戦略部では、専務からの大切な伝言が阪口部長へ伝わらずに、大変な事に・・・。
電話を受けたのは加奈。メモをデスクに置いたというが、肝心のメモは見つからない・・・。
加奈の態度の悪さに、メモなんて置いていないのでは・・と社員達は
疑うが、「俺、この目で見ました。」と立花が加奈を庇う。

定時のチャイムが鳴ると、さっさと帰っていく派遣と契約社員達。
奈央子は加奈に、部長が戻るまでもう少し待っていて欲しいと言うが、祖父が危篤だと言い、先に帰ってしまう加奈・・・。

席に戻った奈央子にメールが届く。黒沢からだった・・・。
『件名:アネゴへ
 話しかけちゃいけないなら、メールで伝えます。
 今度の日曜日会って下さい
。』
『件名:Re:アネゴへ
 冗談やめて!会う理由がありません
 以上。』
『件名:アネゴへ
 ゆうべはどうかしてました。
 でも、僕はもっとアネゴのことを知りたいんです
。』
『件名:Re:アネゴへ
 まるで小学生の作文ね。
 以上
。』
『件名:Re>Re:アネゴへ
 今度の日曜11時、 
 神宮の銀杏並木で待ってます
。』
行かないって。』
アネゴが来るまで待ってます。』
10コも年上のおばさんをデートに誘うアホがどこにいる。』
アネゴの目の前にいます。』笑いながら送信する黒沢
バカ言ってんじゃないよ。』あきれ返って返信する奈央子。
『件名:Re>Re:Re>Re:Re>Re:アネゴへ
 トシなんか関係ないですよ。』
そのメールを見つめる奈央子。
「ふう〜〜ん。そういうことだったんですか!」
背後から博子に声をかけられ、慌ててPCを隠す奈央子と黒沢。

立ち飲み屋の『金太郎』で、博子にビールを勧める奈央子。
「ご心配なく。別に誰にも言いませんよ。
 野田奈央子が新入社員に入れあげてるなんて噂になったら
 いい笑いモンですもんねぇ〜。」
「ちょっと待ってよ!入れあげてなんかないわよ〜。
 だけど私びっくりしちゃったんだけど、
 向こうから言ってきちゃってさぁ・・・」
「それでも、周りはそう思うってことです。
 つくづく年増は辛いっすねぇ〜。」と博子は言う。
どうするのか聞かれた奈央子は、
「もちろん、断るよ。ここは、我慢、我慢!」と答える。
「我慢ってことは、もう気持ち入っちゃってるってことですよね
 ふ〜ん。別に私は止めませんよぉ。
 本気だったらマズいですけどぉ、
 遊びなら別にいいんじゃないんですか。」
「だってさ〜、話合わせるだけでも大変だよ。
 育った文化も時代も違うわけだし。
 22じゃまだ人生始まったばっかりだし。 
 私が40の時、向こうは30で、
 私が50の時、向こうはやっとまだ40で、
 まだまだブイブイだよ・・」(ブイブイって・・・笑)
「先輩、ずいぶん先のことまで考えているんですね。
 わかっていると思うけど、結婚はあり得ませんよ!」
と、ぐさりとクギを刺す博子。
「わかってます。」

沢木家では、絵里子が夫の翔一に、昼間あった出来事を話す・・・。
それを聞いた翔一は、もう会いに行ってはいけないと言うのだった。

奈央子と博子は店を出ると、加奈が立花と寄り添って歩いているところを目撃する。
「やっぱりデキてたんだ〜。」と博子。
「そぉ〜いうこと!」と奈央子。
「部長に迷惑かけておいて、ルンルンですよ!」
「っていうか、危篤のおじいちゃんはどうしたの!?」
奈央子は加奈の態度に腹が立った・・・。

翌日。
「昨日は参ったよ。伊藤専務、カンカンでさぁ。
 今後こういう事のないように、早乙女君に言っておいてよ。」
阪口部長にそう言われ、
「今日という今日は、ビシっと言います。ビシッと!!」
昨夜の事を思い出し、力を入れて返事をする奈央子。

奈央子は加奈を呼び出し、コーヒーを差し出し
これを持って行って部長に一言謝るようにと言う。
「私謝れません。」
「どうしてあなたはそうなの?」
「どうして野田さんは私がミスしたって決め付けるんですか?」
「じゃ、言うけど、
 昨夜もあなた嘘の言い訳して帰っちゃったじゃない。」
「何のことですか?」
「立花君とデートしてる所たまたま見ちゃったんですけど。」
「本当ですか?立花さんと?」と真奈美が口をはさむ。
「関係ないでしょ。」と加奈はそっぽを向く。
「立花さん、部長に又必死にこの人の弁護してますよ。
 女使って自分のミスごまかすなんて、最低!」
「私、弁護なんて頼んでないもん。」
真名美は加奈の腕を引っ張り、部長の前に連れていく。

「彼女、誤解されやすいタイプだけど、嘘は言っていません。」
立花が部長に訴える。
「部長!騙されないで下さい。」と真名美。
真奈美、加奈、奈央子がぞろぞろやって来るので驚く阪口。
「どうしたの?みんな・・・」
「この人たち、どうしても私に謝らせたいみたいなんです。」
加奈の言葉に女子社員たちは口々に文句を言い出す。
「ほらまた女使ってる。
 この人、男の前と女の前じゃ、コロっと態度変えるのよね。
 ほら、あんたも困ってたでしょ?」
真奈美は派遣の早希に話を振る・・・。
「加奈さんって悪い人じゃないんですけど、やりたくない仕事とか
 全部こっちに押し付けてくるんですよね。
 すっごいキツい嫌味とか言うし。」
「そういうのって、悪い人って言わない?」と博子が口をはさむ。
「だから早乙女さんみたいな人がいると、
 あたし達まで誤解されちゃうのよね。」と真奈美。
「みんなの言い分はよくわかった。」と部長。
「早乙女さん、部長に言うこと、あるでしょう?」
奈央子に促され、加奈が口を開く。
「わかりました・・・。
 辞めればいいんですよね。」加奈の言葉に驚き奈央子が言う。
「そんなこと言ってないでしょう。どうして謝る事が出来ないの?」
「早乙女さんは、ミスしていませんから。」と立花。
「立花さん、いい加減にして下さいよ。
 加奈と付き合っているんでしょう?
 出来ちゃってる男が弁護しても逆効果ですよ。」
「あの・・・
 立花さんと出来ちゃったのは、昨夜が始めてです。
 親切にしてもらったんで、お礼がしたかっただけです。」
と話す加奈・・・。
「・・・お礼ね。」と立花。
ここぞとばかりに攻撃する真奈美・・・。以前自分の恋愛をバカにされた仕返しなのかな・・・。(^-^;

「何言ってもわかってもらえないなら、もういいです。」
加奈は自分の席に戻っていく。
「社内恋愛は自由だけど、でもちゃんと素直に謝った方がいい。」
と奈央子は加奈を追い、言う。そこで黒沢は、口をはさむ
「ちょっと待って下さい。
 出来てるってだけで、何で二人の言ってることまで
 否定されちゃうんですか?社内恋愛しただけで・・」
「あなたは黙ってなさい!」
奈央子はつい怒鳴ってしまう・・・。
「よし。もうこの話は終わりにしよう。」
奈央子は部長にコーヒーを入れてくるよう頼まれる。

コーヒーを入れながら一人で考え込む奈央子。
「生意気なこと言ってすみませんでした。」黒沢が謝る。
「僕も手伝います。」
「いい、いい・・いいから仕事に戻りなさい。」
「昨日のチーズケーキ食べませんか?賞味期限切れちゃうし。」
黒沢は、冷蔵庫からケーキの入った袋を取り出した。
袋を畳もうとした時、
「あれ?アネゴ・・・。
 これ、早乙女さんが言ってたメモじゃないですか?」
袋の底には、阪口部長宛ての連絡メモが張り付いていた。

犯人は、チーズケーキの箱でした。」
奈央子は阪口にその袋を見せる。
加奈に謝りに行こうとした時、奈央子宛の電話を真名美が取り次ぐ。
相手は絵里子からだった。
「奈央子さん、今お時間大丈夫ですか?沢木です。」
「ご用件は?」絵里子だと分かり、イラつく奈央子。
「あのね、私、昨夜主人に叱られちゃったんです。 
 もう奈央子さんに会っちゃいけないなんて、あの人言うんですよ。
 どうしてそんなこと言うんでしょう。
 どう思います?奈央子さん・・・。」
「あの・・・それで会社に電話を?」
加奈を目で追い、イライラする奈央子。
「私達夫婦、やっぱり、もうダメなのかもしれません・・・。」
「あの・・・こっちはそれ所じゃないんです。
 お宅の夫婦のことは、私達には関係ありませんから、
 もう、こんな電話して来ないで下さい!」
奈央子は怒って一方的に電話を切ってしまう。
絵里子はいきなり電話を切られて、唖然としてしまう・・・。
仕事中にこんな電話をしてくる絵里子・・・。やっぱり感覚がおかしくなっているようですね・・・。まだ心の病気は治っていないようですね。

電話を切った奈央子は、加奈を飲みに誘うのでした。

「今日は本当に、ごめんなさい。」
奈央子と真名美が加奈に謝る。
「別にいいです。
 私、女にどう思われようとどうたっていいですから。」
と投げやりな加奈・・・。そんな態度に真名美は文句を言いかけるが奈央子に止められ、ひとまず3人は乾杯をする。
「いつもね、会社でムカつくことがあるとここで発散して帰るの。
 お家に持ち込みするのは嫌だもんねぇ。」
奈央子は二人に言う・・・。
「野田さんはいいですよねぇ。
 正社員で守られているじゃないですか。」
「ちょっと、それを言ったらおしまいじゃない。
 大体さ、会社の輪ってのをわかってないんだから・・」と真奈美。
「う〜ん、いいのいいの。本当の事だから。
 みんなから見たらね、確かに甘えてるよ」と奈央子。
「私達の時は、女子の正規採用なんてなかったし、
 自分の身は自分で守らなきゃって思っています。」と加奈。
「う〜んでもさ、立花さんが誠実に守ってくれたじゃない。」
「別に、立花さんの事なんて好きでも何でもないです。 
 ただ、あの時ただ一人、庇ってくれたから・・・
 なんとかお礼がしたかっただけです。」
「本当にそれだけ?」と真奈美が聞く。
「派遣が軽く見られているのはわかっているし、
 なんか重たいのって惨めじゃない?」
「それって、私のこと?」真名美はふてくされる。
「でもさ、でもやっぱり、本当に好きな人とじゃないとは、
 そういうことをしたらダメだよ。
 減るもんじゃないとかいうけど、心はすり減ってるよ。」
外から中を窺っていた博子・立花・黒木がドアを開け入って来る。
「すみません。ここはうちの男子禁制って言ったんですけど
 立花君が早乙女さんに話があるそうです。」と博子。

「なんですか?」加奈は視線を逸らして聞く。
「俺は、お礼なんかが目当てでお前を庇ったんじゃない。
 ただ、事実を言っただけだ。
 お礼なんかするんじゃない!!」
「じゃあ、立花さんは、本気で私と付き合ってくれるんですか?」
立花を見つめ、加奈は聞く。黙り込む立花・・・。
加奈はふっと笑ながら
「そんな気ないですよね。
 ほら。派遣なんて使い捨てだってみんな思ってるんだから。」
「俺は確かに女には軽いけど、コイツ見てたら放っておけなく
 なりました。連れて返ります。」
加奈の腕を掴んで店を出ていく立花・・・。
そんな二人を見て喜ぶ奈央子達。
「よしっ!じゃ〜飲もう!」奈央子が言うと、
「私これから三味線なんで。ほら、あんたは飲みすぎ!」
博子はそう言い、真名美を連れて店を出る・・・。

気づくと二人きりになっている奈央子と黒沢・・・。
「なんか、デートみたいになっちゃいましたね。」
「黒沢くん、アレ、彼女いるでしょう?」
「はい。」
「やっぱりね。いいのいいの。当然のことだから。」
「でも、会社に入ってから忙しくて、会ってないんです。」
「え〜?ダメじゃないよぉ〜。」
「向こうから連絡ないし。フラれちゃった。」
「ふ〜ん。そっかぁ、そういうことか。
 それで寂しくなって、私を誘ったって訳だな。」
「いや、そういうことじゃないんですけど。
 あの、とりあえず、ビール・・」
「ダメ!あんたがここで飲むなんて、10年早いんだよ。
 大将、ごちそうさ〜ん!」
思わず足をくじいてしまう奈央子。

捻挫の為、奈央子をタクシーで送る黒沢。
「ごめんね・・・送ってもらっちゃって。」
「あ、いや。あぁ〜足、まだ傷みますか?」
「少し。」
「そっか〜。じゃ、日曜日は無理かぁ〜。」
「まぁ〜だそんなこと言ってんの?ダメダメ!
 きっとね、神様が言っているのよ。
 あなたと私じゃ全然つり合わないから
 デートなんかやめとけってね。」
腹立つ神様っすね〜。」
思わず噴出す奈央子。
「い〜い?彼女にちゃ〜んと連絡して、復活するのよ!」
「何でアネゴに言われなきゃいけないんですか?」
「人生の先輩として。」
「いえ、彼女の為にも連絡しない方がいいんです。」
「どうして?」
「いやぁなんか、女の子って卒業すると、
 結婚とか考えちゃうみたいで・・・。 
 俺、まだそんなのピンとこないし。」
「・・・ふ〜ん。」
部屋まで送ります、という黒沢に
「大丈夫!」と答え、タクシーを出す。
「何か困ったことがあったらいつでも言ってください!!」
タクシーの窓から黒沢が叫ぶ・・・。
黒沢を見送ったあとに奈央子は呟く・・・。
結婚なんてピンとこないか〜。」
女の子はいくつでも、結婚を考えるんだぞ!黒沢君。奈央子なら結婚を考えないと思い込んでるのかな??
甘いなぁ〜(^-^;

家に帰り、母に勧められた見合いの事を思い出す。
奈央子は封筒を開ける決心をした。
「失礼いたしま〜す。」と声をかけ、そっと写真を開く・・・。
「・・・!!
 なんってインパクトのない顔!!
 自分の年と顔を棚に上げている場合ではない。だね・・」
気を取り直して、釣り書きを開けて見る。
その男の学歴(東大法学部卒)と職歴(通商産業省)に驚く奈央子。
「うわぁ〜すっげ〜!コレ!!すっげ〜コイツ・・・。
 でもなぁ〜。どうしよう〜。私わかんないや。はぁ〜。」
学歴も凄いけど、顔もなかなかだ!!こんな人がお見合いなんて・・・・きっと何かあるに違いないと思う私は、ひねくれてる!?(^-^;

そこへ電話が鳴る・・・。
「私です。絵里子です。」
「はぁ、今度はなんですか?」投げやりに答える奈央子。
「私、お仕事中にあんなお電話をしちゃって、
 奈央子さんを、お、怒らせてしまたみたい・・・。
 も、もうどうしたらいいのかわからなくって。
 とりあえず、奈央子さんに謝ろうと思って家を出てきたんです。」
「え!今何処?」慌てて飛び起きる奈央子。
「奈央子さんのマンションに行こうと思ったんですけど
 途中で道に迷っちゃって、公園にいます。大きな、池のある・・・。」
「あぁ、等々力公園?」
「あの・・私、どうやったら、
 どうしたら奈央子さんに許して貰えますか?」
おどおどしながら話す絵里子に、
「分かったから、今すぐ行くからそこにいて!」と告げる。
電話を切った後、絵里子が以前精神科の治療を受けていたと
言っていたことを思い出す奈央子。
大急ぎで公園へ向かおうとするが、捻挫した足が痛む・・・
「アイツだ、アイツ!」
奈央子は黒沢にすぐに電話する。
「もしもし、まだ近くだよね。助けて欲しい事があるの!」
黒沢は、急いで等々力公園へ向かうよう運転手に頼む。

奈央子は絵里子の夫・翔一にも連絡を入れる。
「もしもい、野田奈央子です。
 実はですね、奥さんがうちの側の公園に来ているんです。
 あの、私のせいなんです。
 昼間電話で辛く当たってしまったから・・・。」
「あなたのせいなんかじゃありませんよ。
 いつか、こんな事を起こすんじゃないかと心配していたんです。
 お恥ずかしいんですが、絵里子は他人と程良い距離が
 取れないんです。

 ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。」

奈央子も痛む足を引きずりながら公園へ向かう。
ブランコに座る絵里子の姿を見つける奈央子。
「絵里子さん?」奈央子が声をかけると絵里子は笑顔で、
「本当だ〜!奈央子さん、来てくれましたね。」
と、隣にいる黒沢に言う。
「ちょっと、絵里子さん。すごい心配しちゃった・・・。」
「奈央子さんが怒るのも当然ですよね。
 黒沢さんから聞きました。
 チーズケーキの箱と一緒に、
 大事なメモを冷蔵庫に入れちゃうなんて、
 もう本当に私ドジでごめんなさい・・・。」
笑いながら謝る絵里子・・・。
なんて事・・・。奈央子の心配など気にも止めずに、笑って謝るとは・・・。それにあの事件は笑い事ではないのに・・・(-_-;

そこに翔一の車がやって来た。
「沢木さん、すみません。」と奈央子。
「すみません。
 先日、人の世話を焼くのはやめろなんて、えらそうな事言っといて
 結局僕も、絵里子の事であなたに世話になってしまいました。
 本当にすみません。」

奈央子と翔一をじっとみつめる絵里子・・・。
「どうしてあなたまで・・。」
「野田さんが電話をくれたんだ。心配したよ。」
「あぁ、そう・・・。
 こんなに大騒ぎになっちゃって、どうしよう。恥ずかしい。」
「黒沢さんでしたね。どうもすみませんでした。
 このお詫びはまた、改めて。」翔一が黒沢に言う。
「これから、お二人に来ていただいたら。」
時間を考えない絵里子の言葉に、とまどう奈央子と黒沢。
「さ、帰ろう。」夫に促され、
「ごめんなさい。」と絵里子は歩き出す・・・。

「心配することないっすよ。
 結構あの夫婦、ラブラブじゃないっすか。」
黒沢はのん気に話す。
「そうだね・・・。」と奈央子。
そして黒沢の顔を見つめ、
「ねぇ〜黒沢君。こんな私ですけど、よろしくお願いします。」
「え?」驚く黒沢。
「日曜日、私とデートして下さい。」
「はい!」
笑顔で見つめ合う二人・・・。

「昼間っから若い子とデートって、もぅ何着ていけばいいの?」
洋服をとっかえひっかえ、悩みまくる奈央子。
「ケバい!可愛すぎる・・・。エッチっぽい!
 パーティーじゃないか・・・。うん、これかな?」
服が決まると、次はお弁当作り!美味しそうなお弁当が出来上がる。
奈央子って、本当にお料理が上手なようで・・・。これってポイント高いよねぇ。アピールしてるなぁ(〃∇〃)

待ち合わせ場所で黒沢はガムを口に入れ、口臭を気にしている・・。
奈央子の姿を見つけ、慌ててガムを出し隠す。
「ごめんねぇ、お待たせしちゃって。」笑顔の奈央子。
「どうも。なんか、会社と全然感じが違いますね。」
「え?そう?そうかなぁ〜そんな事もないと思うんだけど・・。」
(どんなカンジ?はずしてない?)奈央子の心の声
「じゃ、行きましょうか。」と黒沢。
「うん・・・。」
(この服選ぶのに二時間もかかったのに・・・)
「ねぇ〜、今日どこいくの?」と奈央子。
「12時にイタリアンのお店予約したんです。」
「あ〜。予約?」
(六時起きでお弁当作った、なんて言えない)
「そういう気分じゃない系ですか?」
「ううん。いいじゃん、イタリアン。」
「あぁ、あと、食事の後これ行きませんか?」
「あ〜。指定席!すごいねぇ〜。」
(その映画 先週一人で見ちゃった、なんて言えない)
「ん〜。どんな所に行くのかなぁと思ったけど、結構マトモだね。」
「あの、実は立花さんに聞いたんですよ。
 大人の女性とデート行くって言ったら、いろいろ教えてくれて。」
(自分で考えてよ、なんて言えない)
「あの、食事と映画でよろしかったで・・すか?」
(そのテイネイ語変だよ、なんて言えない)
「うん・・もちろん。」
(期待が大き過ぎたな・・・)
奈央子は大きな溜息をつく。
「あぁ!バッグ持ちますよ。」
「いや、いい、いい!」
「あの、重そうだし・・。」
「いや、ホントにこれはいい!」
気まずい空気が流れる。
「すいません。なんか緊張しちゃって。」
その時黒沢の携帯に着信が。
「もしもし。・・・試合?・・・あぁ無理だわ今日。ごめん。
 だから行けねっーの。はい、じゃーね。」
「すみません。ラグビー部の後輩からでした。」
「ラグビー?え?似合わないけどやってたんだぁ〜。」
すると又着信が・・・。しかし黒沢は無視をする。
「あれ?あの試合って。」と奈央子。
「いいんです、行きましょう。」
「だって、ほらメンバーが足りないとかいうんじゃないの?
 行ってきなさい。」
「何言ってるんすか。」
「いや、私は一人で映画見て帰るから大丈夫。気にしないで。」
「ちょっと来て下さい。」
黒沢は奈央子の腕を掴み、何処かへ引っ張っていく・・・。

奈央子が連れていかれたのは、ラグビーの行われるグランドだった。
「黒沢先輩!来てくれたんすか?」後輩達が集まってくる。
「会社の先輩の野田奈央子さん。」黒沢は奈央子を紹介する。
「10コ先輩の、野田奈央子です。よろしくお願いします。」
「今日はわざわざデートを中断してきました。感謝するように!」
そう言い、黒沢は後輩達と試合に向かう。

楽しげな時間が過ぎてゆく・・・。
黒沢が脳震盪を起こし倒れる、奈央子は水をかけろと言われ、
指示通りに黒沢の頭にかける・・・。
すると黒沢は目を覚まし、また試合に戻ってゆく・・・。
「黒沢くーん!がんばって〜!」大きな声で声援を送る奈央子。
奈央子の声援を受け、黒沢が敵の間を走り抜け、ゴールを決める!
後輩たちに囲まれる黒沢。奈央子も自分の事のように喜ぶ。

試合が終わった後・・・
「黒沢君ほんっ・・とうにがんばったね。
 めちゃくちゃカッコよかったよ〜。」
「マネージャーも、お疲れ様でした。」
「ううん。それにしてもさ、この水!すごいね。何が入ってるの?」
「え?ただの水道水ですよ。」
「うっそだぁ〜!だって脳震盪起こして生き返ったじゃ〜ん。」
「ラグビーの時だけ、魔法の水になるんですよ。」
ヤカンの水を奈央子の手のひらに注ぐ黒沢。
それに口をつけ、「ホントだ。」とつぶやく奈央子。
「はぁ〜・・。でも、もう魔法解けちゃったねぇ〜。」
「えっ?」と驚く黒沢。

そこへ後輩達が居酒屋で祝勝会をやると声をかけてきた。
「あの、アネゴ。次はちゃんとしたデートにしますから、
 今夜、居酒屋でいいっすか?」
「ううん。遊びの時間は、もうおしまい!
 私ねぇ〜、実はねぇ〜、お見合いするんだ。」
「見合い?」
「うん。会ってみてね、とんでもない人じゃなかったら
 私この縁談、しがみつこうと思ってんの
 独身最後に、誰が見ても釣り合わないあなたと
 1回でいいからデートしてみたかったんだ。ハハハ・・・。
 あ〜あ。メイク落ちちゃってる。
 ハイ。帰ろっかな・・。じゃ〜ね。」
奈央子は歩き出す。
「アネゴ!」
「ありがとね。最っ高〜のデートだったよ。
 あっ。みんなにもよろしくね!じゃ〜ね。」
奈央子は黒沢を残して、一人で歩き出すのだった・・・。

翌日、奈央子がエレベーターに乗り込むと、
あとから黒沢が乗ってきた・・・。
「昨日言っていた話って、本当ですか?
 その・・・この縁談にしがみつくって話。」黒沢が尋ねる。
「あぁ・・・。」
「それって、相手が気に入ってくれたらの話でしょ。」
絶対に気に入らせてみせるわよぉ。」
エレベーターが1Fに着くと、歩き出す奈央子。
「アネゴ!アネゴの弁当、死ぬほど美味かったです。
 ・・・じゃあ、お見合いがんばって!!」
奈央子の背中に声をかける。
「うん。じゃ!」

そっか、お見合いにかける前に夢を見たかったんだ・・・。
ちょっといいなと思う子と、1回だけのデート・・・。
恋愛で結婚出来ればいいけれど、そんな相手を待ってたらいつになるかわからない・・・。焦る気持ちが、結婚への最短距離であるお見合いを選んでしまったんですね・・・。
黒沢は、まだ若いから結婚はピンと来ないと言っていたあの言葉が、決めさせたのかなぁ・・・。

それに、見合い相手の学歴・顔も良かったですしねぇ。こんな縁談そうそう来るものでは無いですから、会ってみようと思ったんですね。
でも、結婚相手は条件だけ良くても、その人柄が良くなきゃ結局はうまくいかないと思うし・・・。

結婚までの時間が短いお見合いは、本当にその人の事を見抜くのって、難しいと思うんですよね・・・。
さぁ、見合い相手はどんな人なんでしょうね。来週が楽しみです♪

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