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2005.06.16

「anego〜アネゴ〜」第9回

anego0615-1 絵里子が、奈央子の不倫を糾弾するメールやFAXを東済商事各部署に送りつけたことから、経営戦略部は大騒ぎ。

公園のベンチで怪文書を見つめていた奈央子は、カメラ目線で話し出す・・・。
「私はこれまで、何十回も後輩達の
 不倫の相談に乗ってきました。
 そのたびに知ったかぶって、
 こんなことを言いました。

 例えばね、
 料理をオーダーした後で、
 目の前に美味しそうな料理が
 通り過ぎたとしても、
 あ、やっぱりあれと取り替えて!・・なんて言えないよね。
 不倫もそれとおんなじ。
 結婚しているのに恋愛したいなんて男は、
 かなり諦めの悪い人だと、私は思うなぁ〜・・・。
 そういう男の諦めの悪さを、愛情と勘違いしちゃ
 ダメじゃ〜ん!

「これで先輩も、よくわかったでしょう?」
突然、博美が声をかけ、驚く奈央子。
人の心は、コントロール出来ないものだって。」
「はい。すいません・・・。
 でもな、私あんな男の人に出会ったの初めてなの。
 なんていうのかなぁ・・・
 自分の心にツッコミが入れられないっていうか。
 う〜ん・・・
 とにかく、彼は特別な人なの。普通の不倫とかじゃないの!」
「不倫している女は、私も含めて、み〜んなそう思っていますよ。
 とにかく、先輩は特別ヤバイ奥さんのダンナに手を出して
 特別最悪なピンチに陥っていることだけは、確かですね。」
博美はそう言うと、その場を立ち去るのでした。

「みなさんも、こんなことになる前に、
 人の不倫見て、我が不倫直せ、ですよ・・・。」

真名美が奈央子を給湯室へ連れていくと、
女子社員たちが集まっていた。
「奈央子、こんなことで負い目に感じないで。
 うちの会社は、不倫のトラブルなんて日常茶飯事だし・・・。」
と、飲み仲間の数子が言う。
「私達も、人事とは思ってないよ。」
「これからは、何があっても全部私達のところで食い止めるから」
「この奥さんの方がよっぽどどうかしてますよ!」と早希。
「って、奥さんの立場の早希もそう言ってるんで、
 凹まないでください。」と加奈。
「負けないで下さい!」
「頑張って下さい!!」
と、女性社員達は口々に奈央子を励ますのだった。
そんな彼女らを嬉しそうに見つめる奈央子。
「みんな・・・。本当にどうもありがとう。
 みんなの気持ちは嬉しいけど、全て私の責任だから。
 みんなには迷惑かけないから・・・。
 仕事、戻って・・・。ね。」

これが奈央子だったから、みんなは味方してくれたんだろうね。
今までみんなの面倒を見てきたから、彼女達は奈央子の味方と言っ
たのだと思うけれど・・・。
でも、それでいいのか?って思っちゃうよ・・・。
相手の奥さんをそこまで追い込んでしまったって事でしょ?
運命の相手・・・それが理由ならいいの?
今まで不倫について、みんなには偉そうに語ってたんでしょ?
そんな奈央子が、不倫をしたら、本当にみんなは納得出来るんだろ

うか・・・。(-_-;

職場では、男性社員が奈央子の噂をしていた。
「人のトラブルの処理?自分はボロボロじゃない。」
「まったく、医者の不養生というか・・・。」
「課長!課長!
 今部長、ウーパールーパーに呼ばれていきましたよ!」
「人事部長まで出てきましたか・・・。」

そして絵里子の怪文書は、奈央この実家にも送られていたのだった

野田様へ
 はじめまして。沢木絵里子と申します。
 突然のお手紙で大変申し訳ありません。
 今回、お二人にどうしても知ってもらいたいことがあり
 お便りします。
 野田奈央子さんのことです。
 野田奈央子さんは私の夫を誘惑し、
 幸せな家庭をめちゃくちゃにしました。
 私はあまりのショックで、体の具合が悪くなったほどです。
 このような人の道に外れたことが許されるのでしょうか。
 奈央子さんのご両親はこのことをどう思われますでしょうか。
                        沢木絵里子

「信じられない・・・。」母の厚子が嘆く。
娘のした事に、相当ショックを受けてますよね・・・。
ご両親は・・・。
いやそれよりも、ここまでやるとは・・・
絵里子は、徹底してますね。(>_<)

厚子は急いで奈央子に電話をかける。
電話で話せることではないから、家に来るように言うのだった。
とりあえず了承し、電話を切る奈央子・・・。

s1503 いつもの立ち呑み屋で、阪口と博美が呑みながら
奈央子の話をしていた。
「それで・・・人事部長は何て?」
「株主総会が近いし、
 今はスキャンダルが
 一番困るから、
 野田君を子会社へ出向させたらどうかって・・・。」
「もちろん突っぱねてくださったんですよね?」
「人事部長があそこまで言った以上、上の思惑もあるだろうから、
 庇いきれるかどうか・・・。」
「じゃあもし、あのメールやFAXが
 部長の奥さんからだとしたら、
 部長は平気で私のクビを切るんですね・・・。」
「そんなこと言ってないだろう!」阪口は慌てる。
その時、店の戸が開いた。
「阪口部長、こんばんは。
 会社にお電話したら、こちらにいらっしゃると聞いたもので。」
絵里子がにこやかにやって来た。

「私、ああするしかなかったんです。
 辛い気持ちを、皆さんにわかっていただきたくて・・・。」
「ま、そりゃ、気持ちはわかるけど・・・。」と部長。
「私はわかりませんね。やり方が汚すぎますよ。
 会社中にスカットミサイルぶち込んどいて、お詫びします?」
「加藤さんが、どうしてこんな怒っていらっしゃるんですか?」
「君の言い分もわかるけど・・・。」部長が博美に言う。
「辛かったら、ダンナや愛人にその気持ち直にぶつけて
 決着付ければいいでしょう?
 妻ってものは立場が強いんだから、
 正々堂々タイマン張ったら?
」博美は怒鳴るのだった。
ほんとに、何故絵里子は自分の旦那さんや奈央子に
直接言わないんだろうね・・・。
二人と話し合って、どうにもならなくて頭に来てやったというなら
まだしも、いきなりだものね・・・。
それに、奈央子の上司に直訴しに来たのかしら!?
すごい行動力だこと・・・。そこまで出来るなら、もっとやること
あると思うけどね。(-_-;


黒沢は沢木のオフィスに訪れ、怪文書を見せ訴えた。
「絵里子さんの暴走を止めてください。
 このままじゃ、奈央子さん、会社にいられなくなるかもしれない
 んです。」
そんな黒沢に、礼を言い奈央子のことは
いい加減な気持ちではない、彼女と一緒になろうと思っていると
沢木は言うのだった。

奈央子は、母に責められていた。そんな時、沢木から電話が来る。
「奈央子さん。本当にすまない。
 絵里子が、君にこんなに迷惑をかけているのは知らなかった。」
「あの・・・」
「黒澤君がオフィスに来てくれたんだ。君の事を心配して。
 大丈夫?今すぐ会いたい・・・。」
「いえあの、今は会わないほうがいいと思います。
 私の事より絵里子さんと話し合って下さい。」
「僕は家を出てホテルにいるんだ。黒沢君に連絡先を渡して
 おくから、辛くなったらいつでも電話して。」
と伝える沢木。
「わかりました・・・。」
「奈央子さん。こんなことに負けず、二人でがんばろう
 そして二人で幸せになろう。
 じゃあ、また連絡するから・・・。」
「はい、それじゃあ・・・。」
そう言って、電話切る奈央子に母は止める。
「奈央ちゃん、もうお止めなさい!
 人の不幸と引き換えに、自分だけが幸せになるなんて
 ことは、絶対にないのよ。」
「そうだね。私バチが当たるかもしれないね。
 でもね、沢木さん、私と幸せになろうって言ってくれてるの。
 その気持ちを、今は大事にしたいの。」
「なんてバカなことを言うの!」
「私、信じてるの。彼が運命の人だって・・・。」
「奈央ちゃん・・・。」
母は娘の身勝手な言動を、嘆くのでした・・・。

昼休みに、阪口は奈央子を誘い、昼食をとる。
「部長、今日は後輩の話じゃなくて、私の話ですよね?
 私、どっかに飛ばされるんでしょうか?」
「うん・・いやその前にさぁ、
 僕が君にこんなこと言える立場じゃないけれど・・・
 沢木さんとは、スパっと、別れちゃえば?
 男もね、苦しんでいるんだよ。
 家に帰れば彼女のことが気になり、
 彼女と会っていれば女房のことが気にかかり、
 彼女ももう若くないから、自分さえいなくなれば、
 いい相手見つけて幸せになれるんじゃないかなぁ〜
 なんて思ったり・・・。
 でもやっぱり会わずにはいられない。
 くぅ〜、一本頼もうか!すいません冷で1合!」
「部長、私は部長の悩み相談で来たんでしょうか?」
「君みたいなしっかり者がさ、不倫ごときで本社を追われたく
 ないだろう?」
それ以上に大切なものを見つけてしまったんです。」
「もうちょっと器用に生きられないかねぇ。」
奈央子は苦笑いをするのだった。

食事が済み会社に戻った阪口は、黒沢と話をする。
「君、海外勤務希望だったよな。
 おめでとう。
 ウランバートル支社の話が来たぞ。」
「え・・モンゴルですか?
「5年がかりで我が社と現地のカシミヤ工場の提携が成立してな、
 成功すると、モンゴルの牧畜業に大きく貢献できる。
 やりがいのあるプロジェクトだ。どうだ、行ってみないか?」
「前向きに考えさせてください。」
職場に戻った黒沢に、男性社員が口々に言う。
「モンゴルか、やっぱりな。」と立花。
「研修で、警察沙汰を起こした、ペナルティーだな・・・。」
「お前、馬乗れる?」
「馬!?」
「乗れなきゃ現地の遊牧民と交流出来ないだろ?」
「確か前任者は、命からがら1年で辞職したんだよな・・・。」
「ああ!あのモンゴル相撲で叩きのめされて!」
「あの、相撲って、何ですか!?」黒沢が聞く。
「現地との交流を深めるためだよ。」
「あ、あと、ヤギの毛刈れないと、モンゴル相撲でヤキ入れ
 られるって!」
男性社員たちは勝手な事を言い、笑い出す・・・。
「からかわないで下さいよ!」と黒沢。
「た、立花さん、冗談キツイですよ!」と真名美は叫ぶ。
「知らねーよ。誰も行ったことないし。」と立花。
「じゃ、じゃーそんなこと、言わなくたっていいじゃないですか」
「でもウランバートル支社は、別名『お仕置き部屋』って
 呼ばれているけど。」と博美が言う。
「えっ・・・」驚く黒沢。
「無事に本社に戻ってこれた人は、一人もいないわね。」
「一人も!?」仰天する黒沢。
そこへやってきた奈央子に、黒沢は相談しようとするが、
アネゴは今、それどころではないと加奈に言われ、
黒沢は諦めるのだった。

奈央子にメールが届く。絵里子からだ。
主人が家を出ていきました。
 奈央子さんはどこにいるかご存知ですよね。
 大事なお話があります。主人のことで。
                         沢木絵里子

緊張しながら、沢木家のインターホンを押す奈央子。
絵里子は笑顔で奈央子を迎える・・・。

奈央子はイスに座るなり、すぐに話す。
「絵里子さん。私、沢木さんがどこにいるか知らないの。
 本当に、知らないの。」
「奈央子さんがそう言うなら、信じます。」
「あ・・・そう・・・。」
「でも・・・奈央子さんは今主人に夢中だから、
 私が何を言っても、信じてもらえないでしょうね。」
「何ですか?」
「4年前にも、主人は私と真琴を捨てて、
 出てったことがありました。」
「え!?」
「ある女性の虜になってしまって。彼女と結婚すると
 言い出したんです。
 その人は、奈央子さんにとてもよく似ていました。
 だから、私はこうなる前から、主人は奈央子さんに夢中になる
 ってわかっていたんです・・・。」
「絵里子さん、もう作り話はやめて。
 カナダ人の愛人のことも、この間沢木さんが浮気したってことも
 嘘なんでしょう?」
「主人がそう言ったんですか?」
「全部、全部絵里子さんの思い過ごしよ。」
「じゃあ、その人の名前教えてあげましょうか。
 クラウン総合研究所というシンクタンクに勤めている、
 河田沙知子さん
 奈央子さん、お会いになる勇気、あります?」
4年前にも同じ様な事があったなんて!(; ̄□ ̄A
そんなに浮気症だったんだ・・・。
カナダでも本当に浮気してたのかもね・・・。
それにしても、相変わらず憎い相手にも笑顔で接するのね
絵里子さん・・・。その笑顔が怖いわぁ〜!(>_<)

経営戦略部。
「妄想よ、妄想。もうその手にのりますかってんだ・・・。」
そうつぶやきながら、奈央子はインターネットで
クラウン総合研究所 河田沙知子』と検索してみる。
「うわっ!ホントにいた!!」
その記事は、『女性のためのキャリアアップの術』という
セミナーについての事が書かれているのだった。
オフィスに戻ってきた真名美たちが奈央子のPCを覗き込む。
この機に乗じてキャリアアップ目指してるなんてすごいと
言い出し、一緒に連れて行って欲しいと言われてしまう奈央子
「う〜ん、よし。行ってみよう!」
これで、河田沙知子に会えるんですね!!
勉強する振りをして、こっそり相手を見るのかぁ・・・。

セミナー会場に行く、奈央子達。
河田沙知子(大塚寧々)を見ると奈央子はつぶやく。
「似てないよ。頭キレそう・・・。」

セミナーのあと、奈央子が沙知子に声をかける。
「何かご質問ですか?」と沙知子は振り返る。
「あの・・大変失礼な質問なんですけれども、
 沢木絵里子さんを、ご存知ですか?」
「失礼ですが・・・。」怪訝な顔をする沙知子。
「あ、すみません。私、こういう者です。」
奈央子は名刺を差し出す。
「時間がないので、歩きながらでもいいですか?」
二人は歩きながら話をする。
「沢木絵里子さん、昔、存じ上げておりました。
 そのことが何か?」
「あ、じゃあ、ご主人の沢木翔一さんは?」
「あなた、何がおっしゃりたいんですか!?
 もう4年も前に終わったことです。
 まるっきり知らない人に呼び止められて、
 なぜ今更昔話をしなきゃいけないんですか?」
「ほんと、すみません。
 正直に言います。
 私あの、声をかけずにはいられなかったんです。
 本当の沢木さんのことが知りたくて。」
「あなた今、沢木さんと付き合っているの?」
「・・・はい。」
「それで?」
「沢木さんと、河田さんの関係が、本当だってことわかって
 すごくショックで。クラっときちゃって。」
奈央子がよろめくのを慌てて支える沙知子。
「大丈夫!?
「すいません。勝手に声をかけてクラっときちゃって・・・」
「本当に正直な人ね。」沙知子は笑う。
「私に役に立つことがあったら、いつでもどうぞ。」
沙知子は奈央子に名刺を渡し、帰っていった。
奈央子はその名刺を握り締め、沙知子の後姿を見送った・・。

その夜、沢木は奈央子にメールを送る。
君から連絡がないから、心配しているよ。
 今日弁護士に相談したら、絵里子が君に送ったFAXやメールは
 離婚に有利な証拠になるそうだ。
 彼女は手段を選ばない。
 僕たちもここで気を抜くわけにはいかない。
 二人で頑張ろう。

そんなメールを家で読む奈央子は、一人つぶやく・・・
「私は二人目だったんだ・・・。」
ノートパソコンを閉じ、ふと沢木に貰ったワイングラスを見つめる
頭を抱え、ため息をつく奈央子・・・。

翌日、社内は株主総会への資料作りに相変わらず追われていた。
今年は警備を2倍に増やそうと部長が指示を出す。
黒沢は初めての体験で、株主総会の大変さを徐々に知るのだった。
奈央子は株主総会に向けて、周りのみんなに仕事を引き継ぐような
形で指示を出していた。
みんなは、子会社に移るのは本当なのかと心配をする・・・。
部長はまだ決まった訳ではないからと、奈央子に声をかけるが
奈央子は覚悟をしている様子・・・。

その夜、黒沢が会社を出ると、外に奈央子の父親が立っているのを
見つけ、声をかける。奈央子はもう先に帰ったと黒沢が告げると、
父は黒沢を屋台のおでん屋に連れて行くのだった。
「曲がった事の大っ嫌いなあの子が、不倫とはねぇ・・・。
 欲しいものが出来たら、なりふり構わず追いかけろ〜なんて
 言っちゃったんだよね、私・・・。
 だけどね、幸せは苦しんで追いかけるもんじゃない・・・。」
奈央子の父の話を黙って聞く黒沢。
「ところで君は・・・」
「あぁ、黒沢明彦です。」
「なぁ黒沢君。
 奈央子は、会社でも毎日、幸せそうに笑ってますか?」
「・・はい。」
「私はね、あの子が口を大きく開けて、笑う顔が大好きでね・・」
「僕も、大好きです・・。」
「赤の他人に言われる筋合いはないよ・・・。」
「すい・・ません。」

いつもの立呑み屋で、呑む奈央子達。
数子がしょげてる奈央子に声をかける。
「奈央子、何浮かない顔してんのよ!
 みんながアンタの事なんて呼んでるか知ってる?」
運命の女!」飲み仲間は叫ぶ。
「え?」驚く奈央子。
「もう、すっごいことになってんだからねぇ〜
 頑張ってよ!」と数子
「運命かぁ〜・・・。」寂しくつぶやく奈央子
「その言葉に弱いですよねぇ・・
 特に若くない女は。」と博美が言う
「あぁ〜それ言えてる!
 年取るってさぁ、出口を塞がれてくって事なんだよねぇ・・・」
「それわかる!」
「でもさぁ〜、運命ってひとつしかないよねぇ・・・。
 2個も運命があったら、おかしいもん。」と奈央子。
「はぁ!?」

数子達が帰ったあと、博美と二人になった奈央子は、自分に雰囲気
の似た沙知子の話をするのだった。
運命の人と好みのタイプとは別物のはずなのだから、
自分はただ沢木の事を、運命の人だと思い込んでいただけなのかも
と言い出す奈央子・・・。
「ま、しょせん恋愛なんて、思い込みと錯覚ですけどねぇ・・」
と博美も言う。

電車に乗り、座席に座り一人考え事をしていると、目の前に立つ男
性の姿が・・・。それは、沢木だった。驚く奈央子・・・。
そして、沢木は奈央子の部屋に行くのだった。
お揃いのワイングラスに、ワインを注ぎ、話す二人・・・。
「奈央子さんに、嘘をつきたくないから、正直に告白します。」
「・・なんですか?」
「実は今日、奈央子さんに会いたくて、電車に乗ったんです。
 何本もやり過ごしました。そして終電でやっと君を見つけた。」
「そうだったんですか・・・。」
「なんだか中学生の初恋みたいで、笑っちゃうよね・・・。」
そう言いながら、照れて頭をかく沢木。
「メールの返事もないし、電話もないから、
 連絡を絶とうとしてるんじゃないかって・・・
 だからどうしても君に、今日会いたかった。」
沢木の話を黙って聞いていた奈央子が口を開く。
「沢木さん、私も隠し事が出来ないんです・・・。
 河田沙知子さんに会いました。
 沢木さんは、大人の男の人だから、
 昔に色んな事があっても当然の事だと思います。
 それに私だって人の事言えないし・・・
 でも、おかしな考えだと思われるかもしれませんけど
 私、沢木さんが結婚した後の、初めての人でありたかった。」
「そのことは、君と出会う前の過去のことだ。
 僕を信じて欲しい・・・。
 こんなに本気になったのは初めてだ・・・。」
「私だって、沢木さんが運命の人だって思いたい・・。」
「だから二人で頑張ろう。二人で幸せになろう。」
奈央子は戸惑いながら沢木を見つめるのだった・・・。

そこへ電話がかかってくる。
それは黒沢からだった。奈央子の父が酔って寝てしまったので
タクシーで送りたいのだが、場所がわからないのだと言うのだった
そして、相談したいことがあるので、明日時間を作って欲しいと黒
沢は頼むのでした。

電話を切った奈央子は、沢木に帰ってもらうように頼む。
沢木はまた連絡をすると笑顔で帰るのだった。
奈央子の家を出ると、外には絵里子が立っていた。
「何してるんだ・・・。」驚く沢木。
「誰もあなたの居場所を教えてくれないから、
 奈央子さんに聞こうと思って来てみたの・・・。」
静に微笑む絵里子・・・。
なんだか絵里子が出てくると、『火サス』のテーマ曲が流れて
きそうだよ!!

翌朝、奈央子は決意し沙知子と会うことに決め、電話をする。
喫茶店で会う二人・・・。
どうしても確かめたい事があってという奈央子を制止、沙知子は逆
に質問をする。
「野田さんは、沢木さんと別れたいんですか?
 それとも、一緒になりたいんですか?」
「・・・それが、よくわからないんです。
 沢木さんの事を知れば知るほど、
 沢木さんの心がわからなくなるんです。」
「あの時の私と同じ・・・。」
その言葉に驚く奈央子。
「彼、優しいから・・・。」
「沢木さんが家を出て、河田さんと結婚しようとしていたって
 いうのは本当ですか?」
「ええ・・・。
 それから奥さんの嫌がらせが始まって、
 会社や実家に怪文章が送られました・・・。
 でも彼は毎日優しく、私を励ましてくれたわ・・・。」
「・・どんな風に?」恐る恐る聞く奈央子。
二人で頑張ろう、そして二人で幸せになろうって。」
その言葉を聞いた奈央子は、愕然とするのだった・・。

家に戻った奈央子は、ワイングラスを見つめ、
窓の外に叩きつけるのだった。
「こんなの運命なんかじゃないよ・・・。」
割れたワイングラスを見つめ、泣きじゃくるのだった。

翌日、黒沢は奈央子の家を訪れる。
コーヒーを淹れる奈央子。
「あの、運命の方はうまく行ってますか?」唐突に聞く黒沢。
(運命って言葉、一生聞きたくない!)
ため息をつく奈央子・・・。
「それより、どうして昨日お父さんと呑んでたの?」
「あぁ、会社の目の前で会って、屋台に連れて行かれたんです。」
「あぁ〜そりゃ災難だったねぇ・・・ごめんね。」
「楽しかったっすよ。」
「で、相談て何かなぁ?」
「あの、実は俺、モンゴルに転勤の話が出てるんです・・・。」
その言葉に驚く奈央子・・・。
「え、お仕置き部屋!?」
(私より不幸な青年もいるんだ)
「でもねぇ、新入社員だしねぇ・・・。断れないよ。」
「・・・はい。行くつもりです。」
(なんて切り出せばいいんだ)
「それで・・アネゴってモンゴルへ行ってみたくないですか?」
「えぇ〜、私ねぇ、牛とかと一緒に寝るのは嫌なんだよねぇ。」
「あの〜、2つとも違ってまして、牛じゃなくて馬。
 あと一緒に寝ないし・・・。」
「あぁ〜そっかそっか・・・。
 でもね、誰も行きたくないところに一人で行くっていうのも
 人生勉強になるよ、頑張ってね!」軽く答える奈央子。
(だめだ 話の流れがマズイ方にいってる)
一緒にモンゴル行ってください。」
「はぁ?」
(こいつの目的なんだろう)
「何しに?」
(結婚は5年先まで考えたくない・・・とすると)
「その・・・それはアレです。
 アネゴがいれば何かと・・・。」
(カラダ目当て?)
(11コも上じゃ、カラダでもない・・・とすると)
「俺給料安いし、まだそういうこと言える身分じゃないことは
 よくわかってるんですけど・・・。」
(カネ目当て!)
「黒沢君さぁ・・・そこまで頼られても、私困るんだけど・・」
「そうですよね・・・。」ガックリする黒沢。
く、黒沢君ついにプロポーズですか!?
転勤ってなったら、急に気持ちがハッキリしたのかな。
でも、奈央子には全然伝わってないし・・・(^-^;

そこへ電話がかかってくる。
それは絵里子だった。
「奈央子さん、今すぐ来てください!助けてください!!
 主人が、私に暴力を振るうんです
 今トイレに隠れたんですけどね・・」
そこへドアの外から沢木が「絵里子、どこに電話してるんだ!」
と声をかけドアをドンドン叩く・・・。
「お願いします、助けてください!!」必死に受話器に叫ぶ絵里子
「開けなさい!!」沢木も大きな声を出す。
すると電話が切れてしまうのだった・・・。

奈央子は黒沢と一緒に、タクシーを飛ばして向かう。
その途中、道を走って逃げる絵里子の姿が!その後を追いかける沢
木の姿も見かけ、奈央子はタクシーを慌てて止める。

「奈央子さん、助けてください」としがみつく絵里子。
黒沢は、沢木を引き離し、
「暴力振るったって、本当ですか?」と聞くのだった。
「はぁ?」と沢木
「信じらんねぇ・・。」と黒沢が言う。
またみんなを騙したのか!?」と沢木は絵里子に問いただす。
「いったいどこまで僕を悪者に・・・」
そこで絵里子は「きゃーーーーーーー」と悲鳴を上げる。
「絵里子さん、大丈夫。そんなに怖がらないで!」
奈央子は絵里子を抱きしめなだめる・・・。
「迷惑をかけてすいません・・・。」と謝る沢木。
そんな沢木のむなぐらを掴む黒沢。
「自分が何したか、わかってるんすか?」と沢木を睨む。

そこへ警官が「何かありましたか?」と声をかけてきた。
奈央子は絵里子に、沢木を警察に渡すなんてしないよね?と問いた
だす。うなずく絵里子・・・。

沢木の家に戻り、奈央子達は事情を聞く。
「弁護士のところに行こうとしてたんです。
 そしたら急に絵里子が嫌だと言って、
 絵里子が逃げ出したんです・・・。」と沢木は話す。
本当なのかと絵里子に問う奈央子。
すると視線を下に向けたまま話し出す絵里子。
「私・・・主人とは別れられないんです。」
その言葉に、奈央子は
「絵里子さん、私もう二度とご主人とは会いませんから・・・。
 だから心配しないでください。」と告げるのだった。
その言葉に驚く、沢木と黒沢・・・。
「最後に一つ聞きたいんですけど、
 沢木さんとどうして別れられないんですか?
 どうしてこんなことまでするんですか?」
奈央子の言葉を聞いた絵里子は、下を向いたままふっと笑い答える
「だって・・・運命の人だから。」絵里子はそう答えると、
顔を上げ、真っ直ぐに沢木を見つめるのだった・・・・。
その言葉に戸惑う沢木・・・。

その夜、沢木は弁護士に約束を守れなかった詫びの電話を入れた。
そして、離婚調停の件はとりやめて欲しいと頼むのでした。
「妻の病気が、完全に治るまで、側についていることにしました。
 お世話になりました・・・。」
そう話すと電話を切り、テーブルの上に電話を置く沢木。
テーブルの上に置かれた、怪文章をくしゃくしゃに握り締める沢木
その顔は、怒りに震えているのでした・・・。
テーブルに怒りをぶつけ、わなわなと震える沢木。
そんな夫の姿を、ドアの陰から悲しげな表情でそっと見つめる
絵里子・・・。
沢木が、もの凄い顔で振るえていました・・・。
なんだか豹変しちゃったかのよう。実は怖い人なのかな??


奈央子は、缶ビールを買い込み、酔っ払いながら公園で語る。
「夫婦ってすごいねぇ!なんか凄いもの見せられちゃった!」
「大丈夫っすか?」と黒沢が声をかける。
「うん。私は全然大丈夫!!」と言いながら、フラつく奈央子。
「あ、黒沢君さぁ〜、昼間変なこと言ってたよねぇ?
 あの〜〜モンゴルへ一緒に行こうとか・・・」
「はい。俺も、5年も考えるの辞めたんです!」
「あっそう・・・。何を?」
結婚しちゃいましょうか!
(あー、やっと言えた!)
「へぇ〜・・・あはは、誰と?」
(伝わってないし・・・)
「奈央子さん。俺と結婚して、一緒にモンゴルへ行ってください」
(これって若さの勢い? 単なるよっぱらい?)
「あはは・・っていうか黒沢君さぁ〜。
 一人でモンゴルに行くのが、怖いんでしょ?」
からかうように話す奈央子。
「はい・・。あぁ、でもそれだけじゃないんです。」
奈央子は笑う・・・。(わかりやすくてカワイイ〜)
「あたしぃ〜、お見合いに敗れた上にぃ〜、
 略奪婚にも破れましたぁ〜、黒沢君も知っての通り、
 結婚にも焦ってるしぃ〜。そんなの捕まえちゃっていいの?」
「そういうのも全部含めて、奈央子さんですから。」
真顔で答える黒沢。
「そういう、そのまんまの奈央子さんを、俺は好きになりました」
(33年間生きてて、こんなに嬉しいこと 初めて言われた・・・
 生きてて良かった
)
奈央子は、黒沢の顔を見ながら感動する・・・。
「あぁあの・・でも、返事は今すぐじゃなくていいです。」
(な、なんで?)
「あぁ〜そっかそっか・・・。えっと、考える時間をください。」
「あの・・どれくらいですか?」恐る恐る聞く黒沢。
5分くらい!
(はやっ!)
「わかりました、ここで待ちます。」
そして二人は噴水のふちに座る。
(夢みてるのかな・・・ 夢なら醒めないで欲しい)
奈央子はゆっくり目を閉じる・・・。
「俺やっぱり、結婚とかよくわかんないっす。
 でも、沢木さんとのことで、苦しんでる奈央子さんの事見てて
 危なっかしいっていうか、ほっとけないっていうか・・・
 幸せになりたいのに、苦しむなんて変ですよ。
 俺にプロポーズした時もきっと、悩んでて辛かったですよね?
 つうか、俺、嫉妬してるんですかねぇ?
 ・・・そろそろ5分経ちますけど・・・。」
奈央子は何も答えない・・・。
「あの・・でもやっぱ無理だったら、いいんです・・・。」
そう言い、奈央子の顔をそっと見ると・・・
奈央子は酔っ払って寝てしまっているのだった。
奈央子は黒沢の肩にもたれかかり、そのまま眠る。
「つうか、寝てるし・・・。」苦笑いの黒沢。
幸せそうな寝顔で眠る奈央子・・・。
ついにプロポーズがちゃんと出来ました!
でも肝心なとこ、寝ちゃって聞いてなかったみたいだけど(笑)
生きてて良かったって、言いながら感動しているところは
ちょっと可愛かった。でも、かなり優柔不断すぎるよね。
沢木とのことがダメになったばかりなのに・・・。
でも、酔ってたし、頭の中ごちゃごちゃだろうし・・・
結婚できるなら、もうなんでもいいや!ってヤケ??
即答したがってたから、やっぱOKするつもりだったんだろうな。
あそこで寝てなかったら、勢いで話はそういう方向へ行っていた
のかもしれないけれど、一晩たったら、もうちょっと冷静に考える
かな・・・。

翌日、黒沢は会社に出勤すると、阪口にモンゴル行きを受けると告
げるのだった。
その言葉を聞き、男性社員は「おぉ〜〜〜」と驚きの声を上げる。
「そうか、腹くくったか黒沢!」と阪口が言うとすかさず黒沢は
「あ、でも、その前に結婚とかそういう話になったら、
 奥さん同伴でお願いします!」と申し出るのだった。
その言葉を聞き、驚き立花は駆け寄る。
「え、結婚!?」
「誰と?」と驚く真名美・・・
「でもまだ、彼女にはOKもらってないんで・・・。」
そう話す黒沢の言葉を聞き、落ち着かない奈央子。
「で、その彼女っていうのは?」と阪口が聞くと
慌てて奈央子は席を立ち、手を上げる。
「部長!!あの・・株主総会、あと1時間ほどで開始ですから!」
「あぁ、そうか、今日は忙しいからその話、また今度な!」
そういい慌てて会場に向かってしまう阪口。
黒沢は、一人ガッツポーズを取る。

「ふぅ〜ん・・・。」と言って、
笑いながら奈央子の腕をつっつく博美・・・。
奈央子は、照れ隠しに大きな声で「よし、いくわよ!」と叫ぶ。

会社の外ではマスコミが沢山集まっていた。
それは、総会屋との癒着疑惑が発覚してから、初めての総会が行
われるからだった。
「大変だ!!」と、外にいた男性が大声を上げる。
その男の指差す先には・・・
なんと絵里子が会社の屋上に立っているのでした・・・。

えぇ、自殺でもする気ですか!?
まぁ、本気じゃないかもしれないけれど・・・
夫の心が完全に戻らないから、止めを刺すつもりですか(; ̄□ ̄A
でもそんなことで、解決出来るわけないのに・・・・。
絵里子の暴走は、もう止まらないんですね!!
こんな状態だと、奈央子は黒沢と結婚して幸せになるのはいけない
な〜んて思い直しそうだ(笑)

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