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2006.04.02

女王の教室-エピソード 2 (4)-

J20631  J20641

朝、学校の正門の前で立止まり、躊躇う翼。
後ろからやって来た英二が、翼の肩に手を置く。
「翼君、何してるの?」
笑顔で話しかける英二・・・。

英二はそのまま翼を橋へと連れて行く・・・。
橋の欄干にもたれかかり、翼の肩に腕を回し
              川を見つめながら話す英二。
「翼君、真矢に余計なことしゃべってくれたみたいだね。
 僕がクラスを支配しているとか・・・。」
逃げ出そうとする翼!
しかし、英二は彼を捕まえ、橋の欄干に押さえつける・・・。
「君はどうせ幸せになんかなれないんだからさっ、
 さっさと死ねば・・・。
          死ねば・・・。死ねよ。
                     死ね・・・。死ね!!」

授業開始のチャイムに、教師達が職員室を出ていく。
職員室に一人残された真矢は、手帳から翔の写真を取り出し
見つめながら話す。
「翔・・・。ママどうすればいいんだろう。」

そこへ、1本の電話が入る。電話に出る真矢。
「もしもし・・・えぇ!」
それは翼の母親だった。朝起きたら翼がいなくて
真矢に会いに行くと、書置きが残されていたと・・・。

外へと走り出す真矢・・・。

J20651  J20661

通学路の橋の上にに、ランドセルが置いてあった。
周りを見渡してみるが、翼の姿はない。
ふと、川に視線がいく真矢。
恐る恐る、橋の下を覗き込むと・・・

そこには黄色い服を着た、子供がうつぶせに浮かんでいる!

真矢は悲鳴を上げながら、川岸へと走り出す!!
川の中へとどんどん入る真矢・・・。
彼女は、息子が溺れた情景を思い出す。

溺れた翼を抱きかかえ、川岸に着いた真矢は翼の名前を呼ぶ。
しかし、翼は目を開けない・・・。
真矢は必死に人工呼吸を試みる。
お願いだから・・もう誰も殺さないで!
 この子の未来を奪わないで!!
 助けてくれるなら、どんな事だってします!
 もう教師を辞めるなんて言いません!
 どんなことをしても、子供達・・・、
 子供達を、守りますからー!!

真矢は翼の手を握り締め、天を仰ぎ泣きながら絶叫する。

真矢の願いが届いたのか、翼が水を吐き出した。
真矢は泣きながら、翼を抱きしめる・・・。

ずぶ濡れのまま、一人学校へと向かう真矢。
その表情は、怒りに満ちていた。

J20671 教室では、授業中だった。
真矢は教室の後ろのドアを開け、
英二へとまっすぐ向かってゆく。
「阿久津先生、何ですか?」
       と教頭が声をかける。
真矢は教頭の問いには答えず、
          英二の腕を掴む。
「なんですか?」英二は真矢に問う。
「来なさい!!」
もの凄い表情で、英二を教室の外へと引っ張り出す。
「何をやってるんですか!?」絶叫する教頭。
しかし真矢はそんな声には耳も貸さずに、
        英二と共にその場を立ち去るのだった。
騒然とする、生徒達・・・。
生徒が後を追いそうになるのを、必死で食い止める教頭。

J20681 真矢は、体育館倉庫に英二を
             連れてきた。
「頭おかしいんじゃないんですか?
 一体何なんですか!」
「今朝、里中君が死のうとしたの・・・。」
「へぇー・・・。
                    それで助かったんですか?」
「何とか・・・。」
「そうですか。」
「それだけ?」
「どういう意味ですか?」
「責任は感じないの?」
「何で僕が?」
「とぼけるのはもうやめたら?
 あなたのせいで死のうとしたのよ、里中君!」
「先生、前から疑問に持ってたんだ・・・、
 教えてくれませんか?」
「何を・・。」
J20691_1
どうして人を殺しちゃ
     いけないんですか?

英二の言葉に唖然とする真矢。

「里中君だって、もしかしたら
 死んだ方が幸せかもしれませんよ。
 彼みたいな人は、これから生きてたって、
 いい事なんて一つもないんだし・・・。」
英二に手を上げようとする真矢。
「殴るんですか!
 いいですよ。そんなことをしたらどうなるかわかって・・」
真矢は、思い切り英二の頬を叩く。
「何すんだよっ!」怒鳴る英二。
真矢はお構いなしに、反対側の頬も叩く。
「いいのかよ!教師がこんなことをしてっ!!」
更に真矢は英二を叩く。そしてその反動で英二が床に倒れる。
「あなたみたいな人は、こうでもしなきゃわからないでしょ!」
真矢は叫ぶ。

J20711 すると英二は真矢に頭突きをして、
             真矢を倒す。
更に、倒れた真矢を蹴り飛ばす。

「二度と殴るな!
  俺に偉そうに命令するなっ!!」
そう言い、真矢のお腹を何度も何度も蹴リ続ける英二。
「人のことバカにしやがって・・・
 一年ダブっただけで、
 もうダメな奴とか見下してんじゃねぇーよっ!!」
「もしかして・・・お父様にそう言われたの?
 そうなの?」
「あぁ・・・もう、うるせーんだよ、いちいち!」
近くにある物を手当たり次第に投げつける英二。
角材を手にすると、真矢をそれで何度も殴る。
真矢が反撃し、英二を床に倒すと、英二はポケットから
カッターナイフを取り出し、真矢に切りかかる!!

悲鳴を上げる真矢・・・。
右の胸から、ドクドクと血が流れ出す。
再び英二がカッターを振り上げるが、
           真矢は必死にその腕を押さえる。
どうにかナイフを捨てさせるが、英二はバットを握り締める。
真矢の足を狙い、振り回す英二。
よろめく真矢に向け、今度はバットを振り上げる。
真矢がバットを掴むと、英二は真矢の傷口を握る。
悲鳴を上げる真矢・・・。
英二は真矢の手からバットを奪い捨て、
         今度は真矢の首を締め付ける・・・。
「あんたみたいなくだらない大人は、
 黙って俺の言うことを聞いてりゃいいんだよ・・・。
 目障りだからさぁ、消えてくれる!」
真矢の意識が薄れてゆく・・・。

そこへ、いつもの白い蝶が現れる。
真矢の首を絞める英二の回りを、邪魔するように飛び交う蝶。
うっとうしそうに見る英二。

薄れ行く意識の中で蝶を見た真矢は、息子の事を思い出す。
「ママー!」翔の声が聞こえる。
その声に、意識を取り戻した真矢は、体を起こし英二の首へと
手を伸ばす・・・。
そしてそのまま手に力を入れるのだった。
英二の手は真矢の首から離れる・・・。

J20721教えてあげる・・・。
 なんで人を殺しちゃいけないか。
 死ぬ時は痛いからよ。
          苦しいからよ・・・。
 死にたくないって
        叫びたくなるからよ!
 これが痛みなの・・。
 あなたが今まで他の人に与えてきたものなの!!
 人は死んだら、もう家族にも会えないの・・・
 友達にも会えないの・・・
 その人の大切な、夢や、希望や、思い出まで、
 全部消えてなくなってしまうの!!
 この世に生きている人の未来を奪う権利なんて、
 誰にもないの!
 だから!人を殺しちゃいけないのー!!

絶叫する真矢・・・そして英二も泣き出すのだった。

J20731 そこへ、教頭と2名の男性教員が
         飛び込んできた!!
「何をしてるんですか!!」
「やめろー!!」
真矢から英二を引き離し、
   英二は外へ連れ出されていく。
その場に一人残った真矢の額からは、
血が流れ落ちている。
鏡に映る自分の姿を見つめ、気を失い倒れる真矢・・・。

J20761  J20751

後日、病院の廊下で松葉杖をつき、廊下の椅子に座る真矢。
顔は無残に晴れ上がり、胸にはガーゼがあてがわれ、
             手足には包帯が巻かれている・・・。

天童校長が、真矢に処分を伝えにやって来る。
「今度ばかりは、何も出来ませんでした。
 宮内君のご両親は、もう、話も聞いてくれないし・・・
 他の保護者や先生達も、全て、
            先生が悪いと決め付けてしまって。
 私の・・・力不足です。申し訳ない。」
頭を下げる校長。
「懲戒免職ですか?」真矢は聞く。
教職員再教育センターって、ご存知ですか?」
「話に聞いたことは・・・。
 送られた人はみんな、嫌になって・・・
 教師を辞めてしまうとか。」
「懲戒免職にするより、そこに行ってもらう方がいいだろうって、
 宮内君のお父さんが、教育委員会に働きかけたみたいで
 ・・・・・。」
無言の真矢・・・。

「こんなことを言える資格がないのは、重々承知なんですが、
 あなたには・・教師を、辞めないで貰いたい。
 再教育センターに行っても、何とか頑張って、
              現場に・・戻って欲しい。
 あなたのような先生が必要なんです。
                今の、子供達には・・・
。」

真矢の事を理解してくれている天童校長。
真矢を助ける事が出来なくて、辛かったでしょう。
でもきっと、英二の父親を説得したんでしょうね。

J20781 現在の、再教育センターで会話する
              上田と真矢。
「・・・なるほど。
 それで最初にここへ送られてきたの
 が、3年前というわけですか。」
・・・と上田。
「ええ。」
「その時、教師辞めてりゃ良かったじゃないですか! 
 そうでしょ!? 
 それから2年間耐えて、やっとの思いで現場に復帰したのに、
 結局次の学校でまた問題を起こして、ここに舞い戻って
                     来たんでしょう!」
真っ直ぐな瞳で上田を見つめる真矢・・・。

J20791 真矢がセンターから出てくると、
     由介が待ち構えていた。
「あ・・アロハ、先生!」
真矢はため息をつきながら、
       無視して歩き始める。

真矢の後を追いかけながら話す由介。
「神田はもう、悩み解決したんですか?」
「そうみたいよ。」
「実は、俺も解決したんです。」
「友達が悪いことをしたのを知ってて、
 嘘をつくのも嫌だし、
 友達を売るようなこともしたくないって言ってたわよね。
 一体どうしたの?」
「先生教えてくれたじゃないですか。
 どっちも嫌なら両方しなきゃいいって。
 だから・・」
「だから?」
「俺、犯人を見たけど、目ぇー悪いし、暗かったから、
 誰がやったかわかりません!って言いました。
 嘘つかないで、友達も裏切らないようにするには、
 それしかないかなぁーって思って・・・」
すると真矢は立止まり、由介の方をふり返る。
J20801 「いい加減目覚めなさい!」
驚く由介!!
「あなたのやっていることは、
 ただ現実から逃げている
          だけじゃない。
 そんな自分を誤魔化すような
 バカなマネをしてどうするんですか!」
「だって、先生がぁ・・・」
「私が言ったのは、もし、二つの選択肢があって、
 そのどちらも選びたくない時は、
 第三の道を探せということです!
 口で言うのは簡単だけど、そんなものはなかなか
 見つからないかもしれない・・・。
 見つけたとしても、辛くて苦しい未来が
            待っているかもしれない・・・。
 でも自分が正しいと思った道を行けば、
 あの時ああすれば良かったなどと後悔はしません。
 いずれ回りの人もわかってくれます。
 いえ、わかってくれなくてもいいという覚悟が出来ます。
 そうやって人間は強くなるんです。
 そういう第三の道を探すために、人間の頭脳はあるんです。
 自分に嘘をついて、何もしないのなら、
 人間である必要なんかありません!」
そう言うと、また歩き出す真矢。
「あぁ・・ちょっと!先生っ!」
由介は慌てて真矢の後を追う。しかし足を怪我しているので
追いつくことが出来ない。大きな声で、叫ぶ由介。

「先生はいつからそんなに強くなったんですか?
 俺より、何倍も辛い思いとかして来てるんでしょう?
 最初に再教育センターに行った時とか、
            めげたりしなかったんですか?
 教師辞めようとか、思わなかったんですか?」

真矢は、由介の問いに答える事もなく立ち去る・・・。

時は戻り、2003年2月
センターから出てきた真矢は、肩を落として歩いている。
帰り道、進学塾の講師募集中という張り紙を見つけ
躊躇いがちに中に入ろうとする真矢・・・。

J20821 「先生!先生!」後ろから
      声をかけられる真矢。
真矢がふり返ると、
          それは翼だった。
「元気だった?」
      笑顔で話しかける真矢。
「はい!学校にも、ちゃんと行っています。」
「そう・・大丈夫?またイジメられてなんかいない?」
「大丈夫です!
 だけど・・・
 先生に、話したいことがあって。」
「何かあった?クラスで?」
「あれから宮内君、人が変わったみたいに、元気なくなって。 
 そしたら、みんなに無視されるようになって・・・。」
「ええ!?・・・。」
「ずっと学校に来てなかったんですけど、
 なんか、学校辞めるって決めたみたいで。」
「どうしてそんな・・・。」
「これからは、家庭教師つけて、受験勉強して、
 私立に行くって、言ってました。」
翼の話にため息をつく真矢・・・。
救いを求めるような表情で見つめる翼。
その表情を見つめる真矢・・・。

J20831  J20841

教頭達に見送られる英二と母。
母・典子は教頭たちに頭を下げ、英二の肩を抱きながら
校門へと向かう・・・。

「それでいいの?」
校庭に現れた真矢は、英二に声をかける。
その声に、うつむいていた英二が顔を上げる。
「このまま学校辞めて、後悔しないの?」
「何言ってるんですか、あなた!」と典子。
「他の人は散々イジメておいて、
 自分がイジメられたら逃げ出すの!?
 大人のことは普段からバカにしているくせに、
 いざとなったら、親に守ってもらうの!」
「いい加減にして下さい!!
 勝手なこと言わないで!人の息子殺そうとしておいて!
 私は・・・子供を失うのは二度と嫌っ!!」
典子の言葉に反応する真矢・・・。
「この子には兄がいたんです・・・。
 頭も良くて、とてもいい子だったのに、
 小さい頃交通事故で・・・。
 私には、もうこの子しかいないんです!
 英二を守るためなら、何でもしますからね。
 これから一生、この子を愛して愛して愛し抜きますから!!」
典子は叫ぶように言うと、英二を連れて歩き出す。
真矢を通り越し、どんどん前へと歩く典子達。
真矢は振り返り、叫ぶ。

J20851愛するのと
     甘やかすのは違います

 子供の為、子供の為と言いながら、
 あなたは自分の価値観を
 押し付けているだけでは
            ないですか

 昔の私もそうだったけど・・・
 あなたは、息子さんの本当の苦しみなんかわかってないんです!
 このままじゃ、英二君本当にダメになってしまいますよ!」
「他人は黙ってて下さい!」

「いい加減目覚めたら!!
 このまま一生親に甘えるつもり?
 言いなりになるつもり?
 お父さんからのプレッシャーに怯えたり、
 死んだお兄さんにコンプレックスを持って生きていくの?
 自分より弱い者はイジメて、
 強い者には尻尾を巻いて逃げ出すの?」
「行きましょう、英二!」無理やり引っ張っていこうとする典子。
「ここから出ていったら、
 一生そういう生き方をするって、決めたことになるのよ!
 今すぐ教室に戻りなさい!!
 そして今までやったことを、みんなに謝りなさい!
 たとえみんなから無視されても、自分の力で耐えなさい!」
「英二、こんな人の言うことなんか聞くんじゃありません。」
「あなたは一人じゃないの!!」
英二は真矢の言葉に振り返ると、その後ろに校舎から出てきた翼の
姿を見つけ、驚く・・・。
英二の表情に真矢もふり向き、翼の姿を見つける。

J20861 「イメージ出来る?
 里中君は、
 あんな酷い目にあったのに、
 あなたのことを心配しているのよ。
 せっかく一緒のクラスに
            なったんだから、
 一緒に卒業したいって!
 いい思い出をいっぱい作りたいって・・・。
 確かに彼は、あなたより頭も良くないし、
 運動も出来ないかもしれない。
 だけど、あなたよりずっと、強いと思わない?」

「これ以上邪魔するなら、主人に言って、
 二度と教師に戻れないようにしてもらいますからね!
 行くわよ、英二。」
しかし英二は、母の手を振り解くき真矢の方に歩き出す。
息子の態度に驚く典子。
「英二!?何やってるの、英二!
 戻ってらっしゃい、英二!
 お父さんに言いつけるわよ!!」

J20871 典子の言葉に
     ゆっくりとふり返る英二。
「・・・勝手にすれば。
 誰が何と言おうと、
 僕はこの学校を卒業するから。」


翼が英二の顔を見つめ、静に頷く・・・。
典子は諦め、一人足早に学校を去って行った。

J20881 真矢は、英二に優しい声で伝える。
「早く行きなさい。
      友達が待っているわよ。」
「・・・俺、バカだった。」
「え・・?」
「今頃わかったよ・・。
  先生が本当にいい先生だって。
 先生と一緒に卒業したかった。ごめん、俺のせいで・・・。」
涙ぐみながら、英二は頭を下げる。
「許さない。」
「えっ・・・。」その答えに驚く英二。
「罰として・・これ、貰っておく。
 返して欲しかったら、いつでも会いに来て。」
真矢は、英二の胸ポケットに刺さっていたペンを取り上げる。
「ありがとう。」英二は涙を堪え、笑顔で答える。

J20891 そして、英二は走り出し、
翼と一緒に校舎の中へ
            消えて行った。
二人の後を目で追いながら、
  穏やかな表情で英二のペンを
           握り締める真矢。
いつしか真矢の目にも
   涙が溢れそうになっていた・・・。

J20921  J20901  

再教育センターで、英二のペンを懐かしそうに見つめる真矢。
「それで決心した訳ですか・・・。
 もうどんなことがあっても、教師を辞めないと。」と上田。
「ええ。」
「しかし、虚しくなりませんか?
 そんなに立派な覚悟があっても、現実は残酷っていうか、
 誰もわかってくれないし・・・。
 結局またここに舞い戻って来たんでしょう?」
「教師であり続ける限り、
      自分が想像出来ない、
              奇跡に出会えますから
。」
「はぁ?」
「失礼します。」
真矢は上田に頭を下げ、部屋を出て行く。

廊下で立ち止まり、カバンから英二のペンを取り出す真矢。
そして、和美達の事を思い出す・・・。

J20931 真矢をおびき出そうとして考えた
生徒の罠に、逆に悪い男達に連れ
去られそうになってしまった
女の子達を、助けようと現れた真矢。
真矢は男に首を絞められ、
      ポケットに入っていたのもを
男の足に突き刺した!
     それが、英二のペンだった・・・。
そのペンがあったから、真矢達は助かったのだった。

ペンを再びカバンに戻し、真矢は歩き出す・・・。

J20951 センターを出ると、
以前よりも酷い顔の由介が
            待っていた。
「どうしたの?その顔。」
「あいつに殴られちゃいました。
 一緒に本当のことを言おうって
              頼んだら。」
「それで諦めたの?」
「必死で頼みました。
 俺達がちゃんと謝って反省すれば、
 担任だってちゃんとわかってくれるはずだって。
 絶対退学になんかなんない。
 たとえ退学になったとしても、俺はずっと友達だからって。
 そしたら・・あいつ、わかってくれて、自首してくれました!」

「担任の先生も許してくれたんじゃないの?結局。」
「はい!
 これが先生の言っていた答えですよね?
 二つの道があって、どっちも行くのが嫌な時は、
 第三の道を探せばいいんですよね!

真矢は黙って頷く・・・。
「もしかして、先生もそうやって来たんですか?
 いろいろ悩んだけど、自分にとって一番厳しい道を選んで、
 俺たちの担任になったとか・・・。
 やっぱ先生、最強だわ!」
真矢は何も答えないで歩いている。
すると、土手で小学生に野球を教えるノブヤを見つける由介。
大きな声で呼ぶと、彼は気がつき、手を振る。
そして真矢に気がつくと、頭をさげ笑顔を見せるノブヤ。
「あれが、例の友達?」
「はい。
 あいつ、今日、うちに泊まるんですけど、
 じいちゃんと三人で飯食いながら、
 先生の話、沢山しようかと思って・・・。」
「そう。」
「じゃ、先生アロハ!」
ノブヤの元へ走り出す由介。
そんな由介を穏やかな表情で見つめる真矢・・・。
そして真矢は歩き出す。

由介も、ちゃんと自分が後悔をしない道を考えられるようになりま
した。あの面白いおじいさんと、今夜はどんな楽しい話が繰り広げ
られるんでしょう!ちょっと聞いてみたい気もしますね♪(^-^)




J20961 時は遡り、2005年2月・・・

真矢のアパートを訪ねて、
近藤校長(泉谷しげる)が
          やって来た。
「あのぉ・・・
 実は、先生のお噂を聞きまして、
 教職員再教育センターにいらしたそうですね。」
「はい。」
「あそこに行った人は、みんな途中で辞めるというのに、
 教師を絶対続けるんだって、2年間頑張ったそうですね・・。」
「ええ。」

J20971  J20981

「一つだけ、聞かせていただけませんか?
 もし、現場に戻れるようなことがあったらですよ、
 今度は、どうされるおつもりですか?」

しばらく無言の後に、口を開く真矢。

・・・鬼になります。」(; ̄□ ̄A

その言葉に驚く近藤校長。
「子供達になんて思われようが、
 私自身が大きな壁になって、徹底的に厳しくやります。
 そんなやり方をすれば、保護者から大変な苦情が来るでしょうが
 全て受けて立つつもりです・・・。
 その代わり、子供たちの家庭環境や、友人関係、
 本人が今何を考えているかまで、全て調べます。
 何か問題を起こしそうな子がいれば、 
 寝ないで監視するつもりです。」
真矢の言葉に困惑する近藤校長。
「そこまでしててもですよ、
 子供達に、先生の本当の気持ちがわかってもらえないかも
 しれないじゃないですか。」
「構いません・・・。それが教師という仕事だから。」
「先生。うちの学校に、来ていただけませんか?」
「・・・本当ですか!?」
「但し、私は・・あのぉ人格者でも何でもありませんし、
 先生がもし、問題を起こすようなことがあったとしてもですよ、
 責任は取れませんし、あなたを守れるかどうかわかりません。
 それでも・・それでもよろしいでしょうか?」
「はい。」
即答で答える真矢・・・。

翔の墓に手を合わせ、報告する真矢。
「ママ、今日から新しい学校に行くの。
 翔・・・ママを守ってね。」
霊園の空には白い蝶が、ひらひらと飛んでいた・・・。

J20991  J21001

真矢は自分の部屋でパソコンに向かっていた。
今度受け持つ生徒達の資料を見ながら考える・・・。
由介の写真を見ながら考える真矢。
「この子がイジメられたらどうする?
 この子が友達になってくれるかしら・・・。
 いやダメだ。男の子は弱いかもしれない。
 ターゲットにして叩くなら、強い子がいい

J21011  この中で一番強い子は誰?
 もしかしたら・・・
         この子かもしれない。」
和美の写真を見つめる真矢。

真矢は学校へ向かう為、着替える。
グレーのスーツを着ようとするが、鏡に映った自分の姿に、
手を止め考える・・・。
目の前に黒の洋服があり、それが目に留まる。

ポニーテールだった髪の毛を、シニョンにまとめ
黒いブラウスに、黒のジャケットを羽織る真矢。


J21021  J21031

学校の廊下に響く、真矢の靴音・・・。
廊下の真中を、ゆっくりと歩む真矢。
右手には、6年3組の出席簿を抱えている。

教室では新学期を迎え、子供達が騒いでいる・・・。
チャイムがなり、慌てて席に戻ろうとした和美は
誤ってペンケースを床に落としてしまう。
その音に反応し、クラスメイトがふり返る。
一瞬静まる教室・・・。
和美は悲しげな顔をして、それらを拾うとする。

J21041 その時、真矢は廊下で足を止めた。
扉のガラス窓に映る
     自分の姿を見つめ、
         心の中でつぶやく・・・。

どうか、私のやり方が
       間違っていませんように。
 24人全員、無事に卒業できますように・・・。
 どんなことをしても、私の子供達を守りますから
。」

真矢は、ガラスに映った自分の顔を良く見る。
「甘いわよ。
 まだそんな顔じゃ・・・。」
一層表情を引き締めて、教室の扉の前に立つ。

スローモーションで映し出される映像・・・。
教室の戸を開く真矢。
その音に反応し、生徒達がドアを見つめる。

全身黒尽くめの教師の姿に、生徒達は凍りづく。
冷たい表情の真矢は、教室に足を踏み入れ、
              教壇へと向かうのだった・・・。

きゃぁ~~~黒真矢の降臨だぁ~~~!!(≧▽≦)
いやぁ~もうビックリです!!
誰をターゲットした叩くか、事前に考えた結果、
                  和美になったんですね!!
それにしても、クラスの中で誰が一番精神的に強そうなのか
調べ上げるなんて、驚きました!!
それに、あの教室に入る前、真矢がガラスに映る自分の姿を見て
気を引き締め、黒真矢になってゆく様は見ていて鳥肌ものでした!
           {{{{( ▽|||)}}}}ぞぉ~~~~~
昨年の連ドラを見た時には、なんでこんなに怖い鬼教師なのか
とっても謎でしたが、今回過去が明らかになって、納得!
真矢の心境がわかったので、なんだかもう一度
             昨年の連ドラを見たくなりました☆
真矢の行動とは裏腹な心情などを考えながら、見てみたいです。

半崎小学校では、最後は生徒達だけは真矢の気持ちに
気づいてくれていましたが、回りの教師や親・教育委員会は
敵に回したままでした・・・。
今度は再教育センターで、いったい何年過すんでしょう・・・。
でもどんなに辛くても、真矢なら絶対に教師は続けるんでしょうね
そしてドンドンパワーアプしていくのかなぁ( ̄_ ̄|||)
でもね、あれ以上怖くなって欲しくないんですけど・・・。

今の世の中、大人をバカにした子供が多すぎるのかな・・・。
だから真矢は、恐怖で一時的に生徒を縛りつけ。
一方で、正しい考え方を持つ生徒を作り出し、皆に気づかせる
方法を取るしか、手がなかったんですかねぇ・・・。(-_-;
うーん、何かもっと良い手はないものか・・・。

やっぱり、先生にだけなんとかしてもらおうとするのではなく
親が子供に対しての「愛情」と「甘やかし」の違いをもっと考え
接しないといけないのだろうし、
子供に話して良い事・悪い事を、
          もっと考えないといけないですよね。
世間の厳しさを教えるのもいいけれど、教え方を間違えると
英二のような考えを持ってしまう子供が、出来てしまう訳だし・・

以前、連ドラで真矢がこんな事を言っていました。
自主性や自由とか言って大人が放っておいたら、
 子供は自由と非常識を混同するようになるだけです。
 悪いことは何なのか、わからない人間になるだけです。
 彼らに一番教えなければならないことは、
 真面目に勉強することと、目上の者にはちゃんと従うこと、
 そして、罪を犯したら、
 必ず罰を与えられるという恐怖感なんです。
 うわべだけの優しさなんて必要ありません
」・・・と。
また子供達のイジメに関しては、
大事なのは、子供達がイジメに立ち向かう精神力を
 つけることです。
 イジメめに対処する智恵を持つことです。
 イジメられても戦おうという気力がないから、
 いつまでたってもイジメられるんです。
 イジメ甲斐がなくなれば、みんな止めるのに
」とも言ってました
難しい事ではありますが、その辺をうまく大人が教えて行かなくて
はいけないんでしょうね・・・。

この「女王の教室」を見て、
いろいろな事を考えさせられました。
そして教師が鬼にならなければならない現状が、
変わる世の中になって欲しいと、
そして、親がもう少し子供に対していろんな事を教えて欲しいと、

思わず願ってしまいました・・・。( ̄人 ̄)

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